不安障害やパニック障害のみならず、脳や神経が関連する精神疾患を患うと、異様な疲れを感じるかと思います。
朝起きたらだるくてスッキリしない、しかも、体のあちこちが痛いなどの症状を持つこともあるでしょう。
体力のいる作業をすると息が切れたり、以前は持てていた重いものを持つのが辛かったりするかも知れません。
なるべくしっかりと休むように努力しているんだけど、なかなか体がスッキリしなくて重い感じがすると悩む人もいると思います。
とても行動的で積極性のある人ならば、軽くウォーキングをしたりストレッチをしたりして疲労を軽減しようとする人もいますが、気分がいいのはその時だけの場合もあります。
こんな状態になっているのはなぜでしょうか?
とにかく疲れている原因は:筋肉と神経
それは、筋肉や神経が異常に疲れているからです。
筋肉は運動をしていなくても、今自分がしている姿勢を維持するために筋肉は力を使っています。
もしも、すべての筋肉の力を抜いてしまったら、人間はイカやタコのように体がダラーンとしてしまいます。
そうならないように、動いていなくても筋肉は常に使われています。これを筋緊張と言います。
不安障害やパニック障害を患う人の特徴には、体の筋肉が非常に緊張していると言う特徴があります。
そのため、常に肩が凝っていたり、首や腰が痛かったりします。
そして、発作が起こっている時は、呼吸に関連する筋肉がある、みぞおちや首全体の筋肉がガチガチに張っていることがあります。
みぞおちや首の筋肉が凝ってしまうと、うまく呼吸が出来ません。
だから、息をうまく吐くことが出来なくて非常に苦しいのです。
でも、発作時だけ筋肉が凝っているわけではありません。
普段からかなり緊張していて首やおなか周り、肋骨や肩甲骨周りの筋肉が凝っています。
そのため、発作時になんとか筋肉の緊張をほぐそうとしても、なかなかほぐれませんし、上手に呼吸をするのが難しいです。
だから、不安障害やパニック障害の人に、
「はい、リラックスして」
と言っても、肩の力が抜けていません。
本人は頑張って力を抜いているようですが、なんだか、力が体に残っているのです。
でも、これは無意識にやっていることなので本人は充分に力を抜いていると思っている事もあります。
いざ、「リラックスして。体の力を抜いて」
と、言われても無意識に体に力が入る癖を持っているので、常に筋肉を使っている状態にあります。
例えば、10kgのダンベルを24時間ずっと片手にひとつずつ、持っているとしたら腕はどうなるでしょうか?
非常に疲れます。
腕が痛くなるかも知れません。
しかも、ずっとダンベルを持っていた腕をいざ、ダンベルを離して、楽に腕を動かそうとしたらどうでしょうか?
その腕はダンベルを持って、姿勢が固定されていた状態から解き放たれ、腕をリラックスさせても、ひじをまっすぐに伸ばすのが辛いです。痛みすら感じます。
これがリラックスしてても体に痛みが走ったり、体が凝っていて辛いと感じた時に起こることです。
普段はあまり意識していないかもしれません。
自分は充分に運動もして、リラックスタイムも設けているから大丈夫だと思うかも知れません。
しかし、朝起きてスッキリしない、すぐに疲れる、さらに時々、不安に駆られたり、パニック発作も出ると言う状況にあるならば、本当の意味では、体はリラックスしていないかも知れません。
とはいえ、リラックスにおいて重要なのは、筋肉だけではありません。
もうひとつ、とても大事なものがあります。
それは神経です。
リラックス出来ないのは、常に神経が興奮しているからです。
常に神経が刺激を受けた状態になっているから、体が休まらないのかも知れません。
神経が疲れているというのは、目に見えてわかりません。
人は筋肉痛だろうが、肩が凝って痛かろうが、意外と動けてしまいます。
そして、神経が疲れていても、動けます。
でも、神経が疲れている状態で動くには代償もあります。それは、色んな「痛み」を持ってくるからです。
頭痛や目の痛み、腰、背中、脚、お腹、ありとあらゆる場所が痛みを感じます。
どこに痛みが現れるかは人それぞれです。
複数の痛みが表れる人もいれば、一箇所だけ痛む人もいます。
これらの痛みの特徴は検査しても、特に異常なしと言われてしまう所です。
だから、まるで対処法が無いようにも思えてしまいます。
しかも、治療としてマッサージを受けたとしても、一時的には良くなっても、その良い状態が長く続きません。
筋肉と神経の疲労に効くのは何かと言うと、
「休むこと」
これに尽きます。
とにかく、神経を刺激しないようにします。
そして、筋肉には力を抜く事を覚えさせます。
最初のうちはうまくできないかも知れません。
でも、徐々に感覚を掴んでいくことができます。
頑張らないでくださいね。